令和7年のゴールデンウイークの家族旅行で、酒田市街から少し離れた山里にある古民家日本料理店『生石 大松家』さんに行ってきました。
生石大松家さんのことはネットで見つけるまで知らなかったのですが、囲炉裏での美味しそうな炉端焼きと手打蕎麦を見て、もう一目ぼれ。
いそいで電話で予約を入れ、夕食をここにして旅行計画を組み直し、期待Maxで生石大松家に行ってきました。
訪問日:令和7年5月5日(月)
基本情報
店名 :生石 大松家
(おいし おおまつや)
住所 :〒998-0802 山形県酒田市
大字生石上坂125
座席 :総席数 50席
駐車場 :20台
営業時間:
昼 11:30~15:00(L.O.14:30)
夜 17:00~21:30(L.O.21:00)
注)夜は予約が必要
定休日 :毎週火曜日(祝祭日は営業)
支払方法:カード不可
場所の詳細
生石大松家さんは、酒田市中心のJR酒田駅から車で20分(11km)ほど東に進んだ山麓の山里にあります。
酒田駅から庄内平野を突っ切って16分(9km)ほど進むと山麓に着き、更に4分(2km)ほど山道を進むとすり鉢状の小さな集落が現れます。
その集落に溶け込むように佇む古民家が生石大松家さんです。

到着しての正直感想は「ここで間違ってない?」。
なにしろ見渡すかぎりの農村の風景。

駐車場
到着すると目に入るのが由緒ありげな茅葺門。

駐車場は、茅葺門の手前と茅葺門の脇を通り過ぎた奥に、2か所ありました。
全部で20台ほど停められるようです。

訪問時の状況
この日は夜の部の17:00の予約なのですが、早く来すぎてしまい16:26に到着。
茅葺門にかかっていた『生石大松家』の暖簾のおかげで、場所が間違っていないのは確認できましたが、早く来すぎたのかお客さんの車が全然なく、「まさかの予約間違い?」と内心ドキドキでした。
夜の部の時間が近づき、他のお客さんの車もだんだん増えて一安心、敷地を見学しながら母屋に向かいました。



茅葺門をくぐり広い庭を抜けると、奥に立派な母屋があります。
平成四年にここで生石大松家さんが開業するときに、築数百年の農家を譲っていただいたとか。
とても立派なお屋敷で、「いったいどんな人が住んでたんだろう?」と思わずにはいられません。
豪農と呼ばれる方が住んでたのかな。

母屋の前面には、池を配した美しい日本庭園が造られていました。

いざ入店
母屋に近づいて、ウロウロしていると、少し早いけど中に入れてくださいました。
店内
玄関をくぐった途端に広い土間と黒々とした立派な柱に圧倒され、この建物が積み重ねた歳月に感動を覚えます。

土間で靴を脱ぎ、案内されるまま正面の毛氈が敷かれた廊下を進むと、、

なんと母屋の裏側にも池を配した立派な庭が。


時間が止まっているような空間に引き込まれます。
そして案内されたのは、板戸を払って床の間と座敷をつなぎ、座卓席が五つ設けられた部屋でした。

まるで昔話の中に放り込まれたよう雰囲気でワクワクしてきます。
それぞれの座卓には囲炉裏と網。
囲炉裏には炭が静かに焚かれています。


まさに非日常のはじまりです。
なお客席は、わたしたちが案内された所以外にも、隣の座敷や土間の左側の縁側の方にもあり、結構な席数があるようでした。
いただいた食事
生石大松家さんでは昼と夜の営業をされており、昼営業でも蕎麦や天婦羅や炉端焼きなどの単品料理と、蕎麦と炉端焼きのコース料理が楽しめるようです。
ですが電話で問い合わせたときに伺ったのですが、ゴールデンウイーク期間の昼営業では炉端焼きは行っていないとのことでした。
わたしたちは炉端焼きをしたことがなく、ゴールデンウイークの思い出に、どうしても炉端焼きを楽しみたかったので、旅行計画を変更して夜の訪問にし、炉端焼きが入ったコース料理にしました。
税込み¥3,000ほどのお肉がメインのコース料理です。
前菜
まず運ばれてきたのは前菜と季節のへらみそ。
食前酒もあった筈だけど、興奮して撮り忘れ。
この憧れのへらみそで既にノックダウン。
あらかじめ焼かれた状態なので、囲炉裏の炭で、さらに少し焦がして頂きます。
これがたまらない美味さ。
フキノトウ?なのか、野趣あふれた旨味と炭で炙った香ばしさがたまりません!

胡麻豆腐とホタルイカとウルイの酢味噌和えも最高。


メインの炉端焼き
前菜をワイワイ楽しんでいると、ざるに杉の葉を敷いて炉端焼きの材料が運ばれてしました。
3人分で結構なインパクト。
根曲がり竹に生椎茸に焼き鳥に牛串。
この杉の葉が見えるところには、鳥団子と豆腐田楽と里芋&蒟蒻も乗っていましたが、つい待てずに焼いてしまいました。
すっかり忘れていたのですが、魚でよろしかったですか?と聞かれたので、「そう言えば帆立にしたような」と話したらサクッとハタハタを帆立に変えてくれました。
(メモしとけばよかった)

で、食い気味に始めた炉端焼き。
これが楽しいのなんの!もうワイワイです。
そして囲炉裏で焼くだけなのに、これが驚くほどに美味しいのです。
ただの里芋からして、これまで食べたことのない感動的な美味しさ。
下味がつけられていたのか?単に食材をそろえただけで無い筈。

豆腐と鳥団子は火が通っているので軽く炙り、豆腐は田楽味噌をつけ、鳥団子は塩か出汁醤油をつけて頂きます。

根曲がり竹は皮がしっかり焼けるまで焼き、生椎茸は傘の裏を軽く焼いてから裏返して表を焼き、汁が溢れてきたら食べ時とのこと。
生椎茸は汁が溢れたら出汁醤油を垂らして食べたのですが、これも最高の美味しさ!
椎茸がこれほどに美味しいなんて初めて知りました。
「うちのバーベキューでもやってみたいねー」で全員一致。

十分焼けた根曲がり竹の皮を剥くと、中はとてもジューシーで柔らかく甘く、そのままで美味しく頂けました。
空いたところで焼き鳥を焼くと、すんばらしい匂いに悶絶です。
そんなこんなで楽しんでいたら、いつの間にか周りは満席で、皆さんワイワイと炉端焼きを楽しんでいました。
囲炉裏って素晴らしい。

大きな殻に乗った帆立には出汁が張られ、三つ葉が添えられています。
3人前なので帆立も3つなのですが、「大きくて乗り切らないよー」とこれまた大騒ぎ。

弁慶飯も運ばれてきたので一緒に炙る。
いい感じになった焼き鳥は、塩か出汁醤油で頂きますが、ジューシーで柔らかく、肉そのものが素晴らしく美味くて、そのままでも全然行けちゃいます。

そして真打、牛串の登場!

表面を軽く炙って塩でいただきました。
もはや微笑むしかない。間違いなく今年の一等賞です。

登場!手打ち蕎麦
炉端焼きが一通り終わり、すごかったねーと話していたら、手打ち蕎麦が運ばれてきました。
すっかり忘れていた本日のダブルメイン。

美味しそうな、切りべらの中太手打蕎麦。
地元産のそばの挽きぐるみとのこと。


炉端焼きですっかり満腹だったのに、適度な太さでコシがあり、そばの風味がしっかり味わえる蕎麦は、美味しすぎてあっという間になくなってしまいました。
やばいくらいに完璧な締めです。
今回は炉端焼きに惹かれてきましたが、蕎麦も尋常ない美味さだったので、蕎麦狙いで昼に来るのも楽しそう。
いや、来るしかないな。
自家製デザート
デザートは、あっさり優しいココナッツミルクにイチゴとタピオカ。
和風の雰囲気を壊さない、甘いけどサッパリした、後味の良い美味しいデザートでした。

まとめ 楽しく。美味しく。凄かった。
こんなに凄いお店が酒田にあるとは。
母屋は古い木組みや建具を生かして非日常を感じさせ、料理は素材を自然に見せながら、それでいて考え抜かれた仕事を加える。そんな感じを受けました。
素晴らしいです。
おかげさまで、楽しくて美味しくて最高な経験ができました。
ゴールデンウイークの最高の一日になりました。

P.S. 離れのトイレは驚くほどモダンで綺麗でした。
